トップページ部門・センター紹介 > 関節再建センター

関節再建センター

関節再建センターについて

近年、当院整形外科では多くの人工股関節手術や人工膝関節手術が行われるようになってきました。関節骨切り術を含めた、これらの関節再建手術治療が、当科におけるひとつの特徴となりつつあります。その事を広く知っていただく為にセンター化することになりました。この機会に、外来における手術準備や入院時周術期ケア、そして術後リハビリテーションについて、よりいっそう安全に、そしてより良い治療が行えるように院内のしくみを見直しています。日常生活や職場への復帰が早期に行えるような手術方法や術後リハビリテーションを工夫し行っていきます。
主に成人の股関節や膝関節の関節再建を目的とする手術療法を行います。対象疾患は変形性関節症、骨頭壊死などです。手術療法は人工関節手術や人工関節再置換術、そして関節温存手術(骨切り術)も行います。

人工関節外来について

人工関節置換術や人工骨頭置換術を受けた後、定期的に検査を受けていない患者さんを対象に新しい画像技術「トモシンセシス」を利用した専門外来を始めました。

トモシンセシスとは新しい断層撮影法を行う画像診断装置です。CTに比べて被爆量がかなり少なく、しかも、体内金属近辺のアーチファクトが少ないので人工関節周囲の骨組織を明瞭に抽出できます。したがって、人工関節周囲骨欠損やゆるみの評価に優れています。北九州市ならび近辺では最新鋭の装置となります。
人工関節がこすれあうと、摩擦によりポリエチレンの屑が周囲に溜まり、周囲の細胞が反応して骨吸収(オステオライシス)が起きると言われています。人工関節周囲の骨組織が吸収されると支えが弱くなり、人工関節の緩みにつながっていきます。十数年前からクロスリンクポリエチレンが使われるようになり、その後の人工関節におけるポリエチレン摩擦はかなり減っています。一方で、それ以前の人工関節は術後15~20年以上経過していることになり、少なからず人工関節周囲の骨変化を起こしている

ではないかと懸念されます。もともと人工関節には神経がありませんので、こすれただけでは症状は起こりません。ゆるんでも最初は症状が軽いことがしばしばです。緩みが進んで、機能障害が起こったり、症状が強くなったりすると再置換せざるを得なくなりますが、すでに骨欠損が大きくなり手術が困難な症例も少なくありません。早期発見はよりよい対処につながります。
新しい診断機器による人工関節チェックを希望される患者さん、特に人工関節手術後長期経過し定期的な人工関節の診察を受けていない患者さんは是非かかりつけ医にご相談ください。

一般撮影でもない、CTでもない、新しい画像技術・トモシンセス。金属によるハレーションを極限まで抑制、重なりの少ない連続断層画像が、低被爆で得られます。


※受診を希望される場合は、かかりつけ医にご相談のうえ、地域連携室までお問い合わせください。
診察日 膝・肩関節 股関節
火曜日(午前) 木曜日(午前)
担当医 森 達哉 藤井 政徳
診察場所 九州労災病院整形外科外来
費用 健康保険適用

地域医療連携室


(専任事務) : 村岡/武久/鳥越/九十九/東
(医療ソーシャルワーカー) : 坂出/西村/竹中

TEL 093-475-9686(ダイヤルイン) FAX 093-473-5903(専用)

関節痛(かんせつつう)について

身体にとって痛みとは

股関節に起こる痛みは患者さんにとって嫌なものです。しかしながら、何処がどの程度悪いということを教えてくれる、アラームのようなものでもあります。必ずしも痛んだところが病気ではないこともありますが、少なくとも悪いところがあると教えてくれます。

なぜ痛みはおこるのか?

痛みの起こり方には、いろいろありますが、多くの疼痛は組織障害性といわれます。体の一部の組織が壊れると、それに反応していろんな組織中の物質が出てきます。それが炎症を起こしたり、直接に伝わったりして、神経の末端である神経終末、即ち痛みのセンサーを刺激します。それが脳に伝わり、”痛い”と感じるわけです。

痛みのセンサーは関節のどこにある?

関節の痛みのセンサーは自由神経終末と呼ばれているものです。機械的刺激、様々な炎症性物質による化学的刺激や、熱によっても、刺激されて、痛みを感じるようになります。痛みのセンサーは関節全体に一様にあるわけではありません。あるところと無い所、鈍感なところと、敏感なところがあります。関節は二つの骨の端が関節軟骨に覆われており、その周りを関節包が被っています。この関節包には痛みのセンサーが豊富です。膝関節に水が溜まったりして、水を抜いたり、注射をされた方がおられるかも知れません。細い針で注射しても、関節包を刺す瞬間はやはり痛いと言わることが多いようです。関節包に痛みの神経終末が豊富に存在しているからです。

骨の外側を被っている骨膜(こつまく)という膜組織がありますが、この部分にも痛みのセンサーがたくさんあります。骨折して痛いのはこのためだろうと思われます。興味深い事に骨の内側には痛みのセンサーが殆どありません。骨折のズレを直すために、その骨に細いワイヤーを通して引っ張ることがあります。その時、骨の外側にある骨膜には麻酔薬を注射できますが、骨の中には針は通りませんので局所麻酔ができません。しかし、外側の骨膜に十分な麻酔をすれば、ワイヤーを骨の中に通しても痛みは起こりません。骨の中には痛みのセンサーが殆ど無いので痛くないのです。

痛みのセンサーは関節軟骨のすぐ下にあるスポンジ状の骨や、滑膜にもあります。すなわち、関節の多くの組織に痛みのセンサーがありますが、関節軟骨には、この痛みのセンサーがありません。関節軟骨は常に、体重がかかったり、擦りあったりします。もし痛みのセンサーがあったら、痛くて動き辛くなるかもしれません。変形性股関節症という、股関節でもっとも多い病気は、関節軟骨に始まるので、早い時期には痛みがほとんどありません。従って、病気が進んでから気づいたり治療を受けたりすることが多くなります。

股関節(こかんせつ)について

股関節とは?

足の付け根にある関節です。腰かけた時に皮膚に皺ができるあたり、脚とおなかの境目のあたりの深いところにあります。ゴルフボールより少し大きな大腿骨頭(だいたいこっとう)と、それを受ける骨盤の窪み(寛骨臼(かんこつきゅう)からなる、体の中で最も大きな関節です。
歩くときの股関節の動きは、単純に曲げ伸ばししているだけでなく、臼の中ですりこぎを回しているような感じにもみえる動きです。さらに階段を昇るときは、少し骨盤がゆれています。立ち上がるときは、ぐっと力がかかります。股関節は、やや複雑な動きをしながら、体を支え、人が生活するのにとても大切な関節です。

股関節には強い力がかかります。

例えば体重が50㎏の人であれば、歩いているときには、150㎏程度の圧がかかります。股関節の悪い患者さんに重たいものを持たないようにと指導するのは、例えば10㎏持つと30㎏負担が増えるからです。

やせた方が良いですよというのは、5㎏減ると15㎏負担が減ることになるからです。ジョギングだと5-6倍の荷重、即ち270㎏程度かかると言われています。転倒すると、8-9倍の荷重がかかり、450㎏くらいになります。お相撲さんが二人乗っても足りないくらいの非常に強い力がかかります。お年寄りは転倒すると股関節の骨折を起こすことがあります。骨粗鬆症によって骨が弱くなったことに加えて、転んだ時に股関節に強い力がかかるので骨が折れるのです。

関節軟骨はクッションの働き


関節軟骨はいくつかの層から成っています。それぞれの層には様々な形の軟骨細胞があります。軟骨細胞はプリテオグリカンなどからできている豊富な基質(きしつ)の中に埋まっています。このプリテオグリカンは水分を蓄える性質があり、それによって体重がかかった際のクッションの働きをすると言われています。

変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)について

変形性股関節症は成人の股関節の病気の中で最も多いものです。通常は急に悪くなることはありませんが、放置すると次第に関節の傷みが進んでいきます。

昔は先天性股関節脱臼などの乳幼児期疾患が主な原因

昔は、変形性股関節症として外来で診断された患者さんのほとんどは、乳幼児期に股関節がずれていたり、はずれていたりして(先天性股関節脱臼)、治療を受けたことがありました。最近では、おむつの指導など予防の方法が分かるようになり、先天性股関節脱臼によって乳幼児期に治療を受ける患者さんがかなり減ってきました。病気をよく知ることで病気を起こさないような方法がわかり、その病気を起こす患者さんが少なくなってくるということは素晴らしいことです。私たち医療に携わるものが、もっとも目指すべき病気の解決の方法ではないかと思いますが、それが先天性股関節脱臼については現実となっています。

現在は骨の成長終了後に起こっている臼蓋形成不全が主な原因

先天性股関節脱臼がほとんど起こらなくなっているので、その後に起こってくる変形性股関節症が減ってくることが考えられますが、やはり、二本足で歩く人間にとって股関節には何らかの負担があるようです。


股関節脱臼はなかったのに、骨が成長した後で、股関節に少し問題があり、その後次第に変形性股関節症となって、症状が出てくる患者さんを診ることが多くなりました。骨頭を支える、寛骨臼側の骨の支えが少ない臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)という状態があることが、最近の調査で変形性股関節症全体の8割程度だということがわかりました。特に若い患者さんの原因のほとんどでした。寛骨臼の骨が少なく、骨頭の一部が被われていない為に、次第に骨頭が外側にはずれてきます。
骨頭が寛骨臼のくぼみからはずれてくると、狭い範囲で強い荷重を受けることになり、まず関節軟骨がこすれて薄くなってきます。その後、放置しておくと荷重部の関節軟骨が無くなったり関節の変形を伴ったりして、関節が固くなったり痛みが強くなったりしてきます。
変形性股関節症によって病院に来られる患者さんの年齢のピークは50~60歳代です。男性が少なく、女性が殆どです。年代別における病気の程度は、やはり若い方は程度が軽く、年齢が高くなると、病気の程度が進んでいる傾向があります。症状は一時的に自然に良くなることもありますが、長い目で見るとやはり徐々に進行していく病気です。

時期によって異なる股関節の状態

病気の早い時期

変形性股関節症は関節軟骨に始まる病気です。最初は関節軟骨細胞周囲のプリテオグリカンが少し無くなったとか、関節軟骨の繊維化など関節軟骨内の変化だけです。関節軟骨には痛みのセンサーがありませんので、この病気の早い時期ではほとんど痛くないのです。あるいは少し痛くても休めば良くなるので、病院を訪れることも少なく、この時期にみつかることは多くはありません。

病気が進んだ時期

一方、病気が進んで強い痛みが出てくる時期になると、関節軟骨がすでに広い範囲で無くなってしまっていることが多いようです。痛みのセンサーをもつ骨組織がこすれあったり、炎症が関節包だとか骨膜とかにまで及んだりするので、強い痛みを感じやすくなるのだろうと思います。
関節軟骨にはある程度の修復能力がありますが、あまりにひどく悪くなってしまうと、なかなか元には戻りません。それでも手術によって体重をうまく支えられるようにすると、生体の修復力が誘導され、関節軟骨が修復されることがあります。ただ修復された軟骨は正常な関節軟骨組織ではなく、線維成分が多いので、長く使っているとまた悪くなってくることもあります。

変形性股関節症の治療方法

手術を行わない方法(保存療法)と手術療法があります。
消炎鎮痛剤や湿布、あるいは温熱療法によってある程度股関節痛を軽減する治療が可能です。体重を減らしたり、重いものをなるべく持たないようにしたりして、股関節への負担を減らすことも大切です。杖を使う方法もあります。症状が軽い時期には、股関節周囲の筋力をつけることも大事です。しかしながら、変形性股関節症のほとんどの原因となっている、股関節の骨の一部が少ない状態(臼蓋形成不全)が原因であれば、保存的な方法では完全に病気の進行を止めることは難しいことになります。

手術療法

大きく分けると、股関節の周囲の骨を切って移動させることによって、股関節にかかる荷重を支えられるようにする方法(股関節骨切り術)と、ひどく傷んだ関節を新しい人工の関節に換える方法(人工股関節置換術)があります。主に股関節の状態によって手術の方法は選択されます。

 

寛骨臼移動術(寛骨臼回転骨切り術)

 

できれば早いうちに変形性股関節症の原因となった骨の構造を治すことが大切です。臼蓋形成不全が原因となっている場合には、骨盤の骨を丸く切って寛骨臼を外側に移動させる骨盤骨切り術が適応となることが多くなります。関節軟骨をともなって寛骨臼を移動させることで臼蓋形成不全を治し、変形性関節症の進行を予防することを主な目的とする手術方法です。関節を換えるのではなく、病気になった関節を用いることになりますので、関節軟骨があまり傷んでいないような早い時期が手術時期として良いことになります。

荷重のかかり方を調べると、手術前には骨頭が外側にずれている為に寛骨臼の外側の狭い部分に荷重が集中しています。手術後、骨頭は寛骨臼の中に収まり、広い範囲で荷重を受けられるようになり、荷重を受ける部分が広がり、その程度も減ります。その為に関節の軟骨の傷みが進行しにくくなります。実際に寛骨臼移動術をした患者さんのレントゲン写真をみると10年経っても軟骨の傷みが全く進行していません。

現在、1−2年経つと自然に吸収されていく新しい材料の釘を使っています(レントゲン写真には写りません)ので、その釘を後で取る手術は要らなくなりました。大転子を止めるポリエチレンのケーブルは痛みの原因になることがあり、まれに後で取り除く手術をすることはあります。

 

人工股関節全置換術

 

関節軟骨がひどく傷んだ場合には、人工股関節に置き換える手術を行います。主に60歳以上の患者さんが対象となります。最近は人工関節が以前より擦れにくくなり、50歳台の患者さんも多くなっています。人工関節の表面には、接している骨となじんでいくような工夫が施され、手術後次第に骨組織が入り込んで、しっかり固定されていくタイプの人工関節を主に用いています。完全に股関節が脱臼して強い変形を伴った場合でも、大腿骨を切ったり、特別な人工関節を使ったりして新しい関節を再建することができます。歩きぶりもよくなりますので、ひどく傷んでしまった関節には人工股関節手術はとても良い手術です。

入院期間が短くて済むようになってきました。

以前、入院期間は4週間かかっていましたが、色々な工夫により、特殊な場合を除いて、手術後数日で歩行練習を始め、2-3週で退院できるようになりました。今後、さらに早く日常生活や職場復帰できるように工夫していきたいと考えています。

 

コンピュータによる3Dテンプレートを用いて患者さんの骨に合った手術を計画

 

股関節の病気の状態、関節の変形の状態、そして骨の形は様々です。それぞれの患者さんに合った手術が必要です。手術前にCT検査を行い、画像データをコンピュータに入力して、術前に画面上で人工関節設置をシミュレーションし、それぞれの関節に合った人工関節の種類や大きさを選択しています。また、適切な設置方向も検討します。十分な支えを得る為に、また十分な機能を得る為に、一例毎に行っています。

 

脱臼しにくい(外れにくい)人工股関節になるようなアプローチ方法

 

コンピュータによる3Dテンプレートを用いた術前計画を行い、適切な設置を行う事は外れにくい人工股関節とするのにも有効です。それに加えて股関節アプローチ(股関節への入り方)の工夫も行い、以前に比べてより外れにくい人工股関節を設置できるようになっていると思います。
健常な股関節は交通事故のような大きな外傷を受けない限り、脱臼することはありません。しかしながら、人工股関節は深く曲げたり捩じったりすると、外れること(脱臼)があり、ひとつの欠点です。色々な原因が考えられますが、主な原因のひとつは、関節を開ける際に切った周囲の軟部組織の部分が、術後弱くなってしまうことです。股関節の入り方には、後ろから、そして前から(あるいは前外側から)の方法などがあります。日常生活動作で多いのは曲げることなので、前方から開けた方が曲げた際に後ろに骨頭が抜けにくくなります。その為に、なるべく前方あるいは前側方からの方法を用いるようにしています。

 

人工股関節再置換術(人工関節入れ替えの手術)

 

人工股関節を入れ替える手術を再置換術といいます。多くの場合、患者さんの体に対する負担の大きな手術となります。前の手術をしたときより高年齢になりますので全身的なリスクも高くなります。人工関節がゆるんでくると周囲の骨がなくなってきますので、古い人工関節をはずす時に骨折を起こしやすく、また新しい人工関節を設置する土台が少ないこともあり、難しい手術となることが少なくありません。このような負担が大きな、リスクの高い手術をさける為に、ゆるみそうな状態になった時に、こすれてしまった部品だけを代えて、人工関節の寿命を延ばすような手術も行います。

 

大腿骨外反骨切り術、キアリ手術

 

関節軟骨の傷みが進んだ後でも、股関節にかかる荷重をうまく受けられるような状態がとれれば、生体内の関節軟骨修復を導くような手術方法もあります。大腿骨側の骨切り術(外反骨切り術)や骨盤側の骨切り術(キアリ手術)、そして、それらを組み合わせて行うこともあります。特に、人工関節置換術を行うには若すぎる患者さんが対象となります。もともと関節の状態が悪いために、将来人工関節手術を行うまでの中継ぎとしての手術方法となります。

大腿骨頭壊死症について

骨頭への血行が悪くなり、一部の細胞が死んで、荷重を受けている部分が潰れてしまう病気です。壊死が起きただけでは、特に痛くはありません。潰れると、関節軟骨のすぐ下にある骨組織の痛みのセンサーが刺激をされるためだと思いますが、骨折のような強い痛みが起こります。放っておくと、この潰れは進んでいきます。
内科の病気の治療を受けていた患者さんや、アルコールによって肝臓を悪くした患者さんに多く起こってくる病気であり、治療が難しく、特発性の場合には特定疾患として認められています。
壊死した部分が全部潰れきってしまうと一時的に痛みが軽くなることがあります。もう良くなったのではないかと誤解されがちですが、骨頭が潰れると、受け皿である寛骨臼と形があわなくなり、関節軟骨が悪くなり変形性股関節症になっていきます。ですから、一端潰れはじめたら早めに手当てをすることが良いことになります。

治療方法

股関節の骨を切って移動させることによって、股関節にかかる荷重を、壊死骨ではなく、血行の残っている部分の骨頭で支えられるようにする方法(股関節骨切り術)があります。壊死骨はゆっくりですが、その後生体の修復力によって生きた骨に換わっていきます。骨頭全体が壊死となっている場合には人工骨頭に置換する方法がありますし、変形性股関節症に陥って関節全体が悪くなった場合には前に述べたような人工股関節全置換術が選択されます。 

大腿骨頭回転骨切り術や大腿骨内反骨切り術

大腿骨頭壊死に対する骨切り術は、骨頭の生きている部分で体重を支えるようにする手術です。多くの場合では骨頭の壊死は前方に偏っており、後ろの生きている部分を前方へ回して、体重を受けられるようにする、大腿骨頭前方回転骨切り術を行います。前方に残っていれば、大腿骨頭後方回転骨切り術、外側に残っていれば大腿骨内反骨切り術となります。
 

変形性股関節症や大腿骨頭壊死以外の成人股関節疾患や、大腿骨頭すべり症やペルテス病などの成長期の股関節疾患の治療も行っています。

股関節の筋肉を鍛えることが大事

自分で出来る運動を続けて行うことが大切です。足を広げる筋肉(外転筋)の運動が重要です。寝て横向きになって上げる方法や、適当なゴムのバンドを巻いて足を広げる方法もあります。
これらの運動により筋力をつけることで股関節が安定することになります。手術をする前ならば病気進行予防に役立ち、痛みが少なくなることにも繋がります。手術後では股関節の働きを良くする為に役立ちます。
ただ、やり過ぎは良くありません。やり過ぎの目安は、運動の後に少し痛みを感じるかどうかです。感じるようであれば、運動の量や頻度を加減する必要があります。
股関節の筋力をつける為の運動のポイントは、股関節に荷重をなるべくかけないで運動することと、続けることです。浮力で体重による股関節の荷重が少なくなるので、水中での運動が望ましいことになります。水中歩行や、可能ならばボードを持ってバタ足をするとか、股関節があまり固くなっていなければ、水泳を行うことも良いかもしれません。できれば、運動する楽しみを見つけるのが、持続するコツだと思います。


股関節周囲の筋力トレーニングの例
詳細を見る


 

担当医師紹介

神宮司 誠也

■関節再建センターセンター長 ■副院長 ■中央診療部長 ■勤労者医療総合センター副センター長

日本整形外科学会整形外科専門医/日本整形外科学会認定リウマチ医/日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医/日本運動器リハビリテーション学会運動器リハビリテーション医/日本医師会認定産業医

股関節(S.56年卒)

河野 勤 

■関節再建センター副センター長 ■関節外科部長

日本整形外科学会整形外科専門医

膝関節/股関節(H.8年卒)