どういう病気を診療するのか?
消化器内科は消化器(消化管、肝臓、膵胆管系)疾患を対象としています。
専門疾患領域 | 検査・治療など | |
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消化器内科 | 上・下部消化管 膵・胆道 肝臓 |
上部~下部消化管X線造影 上部~下部消化管内視鏡 ERCP(内視鏡的逆行性膵管胆管造影) EST(内視鏡的乳頭切開術) EUS(超音波内視鏡) EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺術) ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術) 内視鏡的ポリープ切除 内視鏡的止血術 カプセル内視鏡 Echo(腹部超音波検査) PEIT(経皮的エタノール注入療法) RFA(ラジオ波焼灼療法) chemolipiodolization TAE(血管造影) 動注ポート利用下の肝動注 食道静脈瘤硬化療法 肝生検 PTCD PTGBD(経皮経肝胆嚢または胆管ドレナージ) |
スタッフ紹介
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板場 壮一
- 消化器内科科長
- 消化器内科部長
- 内視鏡室室長
- 消化器センター長
(1996年卒)
- 診療科
- 消化器(消化管・膵臓・胆道)
- 所属学会
- 日本消化器病学会指導医・認定消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会指導医・消化器内視鏡専門医/日本内科学会総合内科専門医・認定内科医/日本がん治療認定医機構がん治療認定医
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千住 猛士
- 肝臓内科部長
(1999年卒)
- 診療科
- 消化器(肝臓)
- 所属学会
- 日本肝臓学会認定肝臓専門医・指導医/日本消化器病学会認定消化器病専門医/日本内科学会認定内科医
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橋本 理沙
- 消化器内科副部長
(2009年卒)
- 診療科
- 消化器(膵臓・胆道)
- 所属学会
- 日本消化器病学会認定消化器病専門医/日本内科学会総合内科専門医・認定内科医/日本膵臓学会認定指導医/日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医
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田代 茂樹
- 消化器内科医師
(2009年卒)
- 診療科
- 消化器(肝臓)
- 所属学会
- 日本肝臓学会認定肝臓専門医/日本内科学会認定総合内科専門医/日本内科学会認定内科医/日本消化器病学会認定消化器病専門医
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寺松 克人
- 消化器内科医師
(2010年卒)
- 診療科
- 消化器(肝臓・膵臓・胆道)
- 所属学会
- 日本内科学会認定内科医/日本消化器病学会認定消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医
-
友枝 成
- 消化器内科医師
(2010年卒)
- 診療科
- 消化器(消化管)
- 所属学会
- 日本消化器病学会認定消化器病専門医/日本内科学会認定内科医/日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医
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清水 俊吾
- 消化器内科医師
(2019年卒)
- 診療科
- 消化器(消化管)
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野見山 櫻子
- 消化器内科医師
(2022年卒)
診療実績
消化器内科診療トピックス
超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA)
超音波内視鏡下穿刺術は平成22年4月に保険診療が認められることになった新しい検査法です。内視鏡の先端に超音波装置のついたスコープを用いて超音波画像を見ながら、細い針を刺して組織採取を行います。従来診断の難しかった縦隔腫瘍、膵腫瘍、胃粘膜下腫瘍、腫大リンパ節の診断に威力を発揮します。当院でも平成24年度より本格導入し、平成26年度に超音波内視鏡下穿刺用スコープを購入し、診断治療に役立っています。
C型肝炎
どういう病気か?
肝炎ウイルスが感染して慢性肝炎が起こる仕組みは、ウイルスが肝臓を食い尽くすというよりは、ウイルス対からだの免疫力との戦いの結果、戦場である肝臓が破壊されるのだと考えられています。C型肝炎ウイルスは免疫力の攻撃を巧みにかわし正面衝突を避けようとするため、肝臓はすぐに燃え尽きずに、くすぶるように肝炎が持続します。しかし長年にわたり肝炎が持続すると、ついには肝臓は荒廃し肝硬変という状態に至り、その中から肝癌がでてくる場合があります。
どうして感染するのか?
C型肝炎ウイルスは血液により感染します。したがって、輸血や血液製剤による感染は確実で、鍼、刺青、予防注射、歯科治療、理髪店の髭剃り、ピアスからの感染の可能性も考えられています。また、男女間、母児間感染もまれならず認められています。検査の進歩により、輸血や血液製剤による感染はなくなりましたが、今でも感染経路が不明の患者様が4割程度存在し、C型肝炎を撲滅するにはもう少し時間がかかりそうです。
感染後の経過は?
C型肝炎ウイルスに感染した後は、2~24週で急性肝炎になり、7割程度が慢性肝炎に移行します。その後はゆっくりと進行し、一部は約20年で肝硬変症、さらには肝癌へと進展します。慢性肝炎の時期には自覚症状がほとんどありませんから、ときどき血液検査を行って早期に診断することが大切です。
治療法は?
ウイルス排除と肝炎の治癒に関して有効性がはっきり認められている薬はインターフェロンです。全員が確実に治癒する訳ではありませんが、薬剤の進歩や治療期間の延長等の工夫により、以前よりは治癒率が上がってきています。一度はインターフェロン治療を検討するべきです。治癒しない場合も少量のインターフェロンを投与することにより、肝硬変への進展や発癌を抑制する治療も可能となっています。インターフェロンが困難な場合は、内服や注射、しゃ血等により進行を遅らせる治療がなされています。
胆膵疾患
どういう病気を診療するのか?
胆嚢・胆道疾患では、胆嚢および胆管結石・胆嚢炎・胆管炎・胆嚢腫瘍・胆管腫瘍・十二指腸乳頭部腫瘍、膵疾患では、急性膵炎・慢性膵炎・膵腫瘍・膵嚢胞などの診療を行います。
胆石とは?
胆石とは、肝臓や胆嚢・胆管にできる結石です。 結石の存在部位により、胆嚢結石(80%)、胆管結石(20%)・肝内結石に分類されます。日本人の胆石保有率は年々増加しており、現在では日本人成人の10人に1人は胆石をもっているとされ、女性に多く、食生活の欧米化などの関与が示唆されています。最も多いのはコレステロール結石といわれるもので約70%を占めます。体内の過剰なコレステロールは胆汁中に排出されますが、元来、コレステロールは水に溶けないため胆汁中に含まれる胆汁酸の助けで、胆汁中ではコレステロールが溶解していますが、胆汁の中のコレステロールと胆汁酸のバランスが崩れると、コレステロールが結晶化してこれを核にして結石ができます。
胆石の症状とは?
胆嚢に結石があっても多くの場合は無症状で、症状が出るのは胆嚢結石のある方の20%程度といわれています。反対に胆管結石の多くは症状を引き起こします。症状は脂肪分の多い食物をとったあとに起きる腹痛(右季肋部・心窩部痛)・背部痛です。また、発熱を伴う場合も多く、胆石により胆嚢内や胆管内の胆汁流出障害に細菌感染が加わると急性胆嚢炎・胆管炎という状態になります。また、胆管結石では胆汁流出障害による黄疸を認め、容易に敗血症からショック状態に陥るため早急な処置が必要です。さらに胆管結石は急性膵炎の原因ともなりえます。
検査について
腹部超音波検査・腹部CT検査・磁気共鳴胆管膵管造影(MRCP)検査などを行い診断します。その他には、内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)や超音波内視鏡検査(EUS)などを行うこともあります。
治療に関して
胆嚢結石による症状がある場合には治療の適応となります。無症状の場合でも、胆嚢癌の合併が否定できないような場合(胆嚢壁肥厚)や陶器様胆嚢と呼ばれるような胆嚢壁全体の石灰化が目立つ場合には治療が望ましいとされます。胆嚢結石の標準的治療法は(腹腔鏡下)胆嚢摘出術です。条件を満たす場合には胆石溶解療法も適応となりますが、再発率も高いです。胆管結石に関しては、無症状でも治療の対象になります。現在の治療は内視鏡的治療(ERCP)が主流になっています。内視鏡を使って胆管の出口である十二指腸乳頭を切開(EST)あるいはバルーン拡張(EPBD)を行い、結石を除去します。
臨床研究に関する公開情報
九州労災病院では、下記の臨床研究に参加しております。
これらの研究は患者様お一人ずつから直接のご同意は頂かずに、この掲示などによるお知らせをもって、これらの研究の対象となる患者様からのご同意を頂いたものとして実施させて頂きます。この研究にご自分の診療情報を使用してほしくない場合や、参加取り止めを希望される場合には、下記問い合わせ先までご連絡下さい。お断りになられても、不利益が生じことは一切ございません。ご連絡を頂かなかった場合、ご了承頂けたものとさせて頂きます。 患者さまにおかれましては、研究の趣旨をご理解頂き、研究へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。
お問い合わせ先
独立行政法人 労働者健康安全機構 九州労災病院
消化器内科 板場壮一
TEL:093-471-1121
FAX:093-473-0627