どういう病気を診療するのか?
循環器内科は心臓・血管系の疾患を対象としています。虚血性心疾患、閉塞性動脈硬化症、大動脈疾患、弁膜症、心筋症、心不全、不整脈、肺動脈疾患、高血圧などがあります。これら疾患を早期発見・治療するために、心エコー、運動負荷心電図検査、ホルター心電図検査、冠動脈CT、心臓カテーテル検査などを日々行っています。
専門疾患領域 | 検査・治療など | |
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循環器内科 | 循環器疾患一般 | 経皮的冠動脈ステント留置術 経皮的冠動脈形成術 下肢動脈形成術 腎動脈形成術 カテーテルアブレーション 永久的ペースメーカー植込み術 体外式ペースメーカー挿入 ループレコーダー植込み術 下大動脈フィルター留置 心臓カテーテル検査 電気生理的検査 心エコー 経食道心エコー トレッドミル負荷心電図 ホルター心電図 心筋シンチ 心肺運動負荷試験(CPX) 心臓リハビリテーション |
スタッフ紹介
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早川 裕紀
- 循環器内科科長
(2013年卒)
- 診療科
- 循環器
- 所属学会
- 日本内科学会認定内科医/日本循環器学会認定循環器専門医
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下山 尊弘
- 循環器内科医師
(2015年卒)
- 診療科
- 循環器
- 所属学会
- 日本内科学会総合内科専門医・認定内科医/日本循環器学会認定循環器専門医
-
橋本 舟平
- 循環器内科医師
(2018年卒)
- 診療科
- 循環器
代表的な疾患
慢虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
心臓に栄養を送っている冠動脈が狭窄することで、心筋に十分な酸素が行き届かず胸の圧迫感や胸痛などの症状が出現するのが「狭心症」です。また、冠動脈が完全に閉塞するのが「心筋梗塞」です。特に「心筋梗塞」は心筋が壊死し、命にかかわる状態にもなりえますので、迅速な対応が必要となります。「心筋梗塞」をおこしかけている不安定な「狭心症」や「心筋梗塞」に対しては一刻も早い治療が必要となります。治療は主としてカテーテルによる手術が行われます。冠動脈をバルーンで拡張し、ステントを留置することで狭窄・閉病変を治療します。
不整脈
動悸などを症状とする頻脈性(早い脈の)不整脈と、失神・ふらつきなどを症状とする徐脈性(遅い脈の)不整脈に分けられます。
頻脈性不整脈には「発作性上室性頻拍」などがあり、心臓の中にある異常な電気回路を高周波で焼切るアブレーションという手術を行います。また、徐脈性不整脈は「洞不全症候群」や「完全房室ブロック」などがあり、人工ペースメーカーの植え込みを行います。
当院では、従来行われていた心尖部ペーシングではなく、心室中隔ペーシングを行っています。心室中隔ペーシングは心尖部ペーシングと比べ、将来的な心不全などのリスクを下げることができるといわれています。
心不全
心不全はさまざまな心疾患が原因となりうる最終的な病態で、心臓の働きが低下することで、息切れや呼吸困難、下肢・全身のむくみを生じます。重症になれば低酸素、低血圧などを生じ、適切な治療が行われないと生命を脅かす危険な状態となります。薬物治療を中心に治療を行いますが、基礎疾患によってペースメーカー植え込みやカテーテルによる手術を行うことがあります。
心臓リハビリテーションとは?
心臓リハビリテーションとは、心筋梗塞後や心臓バイパス術後、心不全など心臓機能が低下した患者様に対して、運動療法や生活指導を行うことによりスムースな社会復帰と心臓病や大血管疾患の再発予防を行います。
心筋梗塞後、狭心症、心臓術後(バイパス術後や弁置換術後)、心不全、大血管疾患、末梢動脈閉塞性が心大血管リハビリテーションの対象となります。
心大血管リハビリテーションを行うことにより
- 運動をしても疲れにくくなり、息切れ・動悸などの症状が軽減。
- 動脈硬化の危険因子である高血圧、高LDLコレステロール血症、糖尿病などが軽減。
- 慢性心不全の増悪予防。
- 心筋梗塞の再発や突然死が減り、生命予後が改善。
といった効果が期待できます。
一般病棟では、モニターで心拍数などを監視しながら歩行訓練を行い早期離床に努めます。病棟でのリハビリが終了すれば、リハビリテーション室で本格的なリハビリが開始されます。ストレッチや筋力増強訓練、自転車エルゴメータ、トレッドミルなどを行います。また、医師や看護師、薬剤師、管理栄養士より退院後の日常生活についての指導も行います。
NCDの手術・治療情報データベース事業について
九州労災病院循環器内科は一般社団法National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に協力しています。
詳しくは下記からご覧いただけます。