臨床研修医の皆様へ
九州労災病院での臨床研修医を目指す皆様へ
初期臨床研修に必要な病院の条件は、症例が豊富で多岐にわたり、積極的に救急患者を受け入れ、各科の連携が良好で、チーム医療が展開されていること、さらに予防医療にも意欲的に取り組んでいる総合病院であることでしょう。また、病理をはじめとする研究機能を備えており、症例検討や長期の追跡調査が日常的に行われている臨床研究型の病院であることが望まれます。
九州労災病院は「地域住民と勤労者の皆様に、良質で安全な医療を提供します。」の理念のもと、救急医療からリハビリテーションを通した社会復帰までを支援する機能を有し、全職員が医療の質の向上を目指して全力で取り組んでいる病院で、臨床研究の環境も整っています。
平成23年5月に新病院に移転、平成27年2月には医療の向上のため病院情報システム(電子カルテ)を導入いたしました。この素晴らしい環境で研修を希望する臨床研修医を募集しています。
九州労災病院の概要
九州労災病院は1949年(昭和24年)に、戦後の目覚ましい復興の中、我が国初の労災病院として開設され、長く労働災害被災者の急性期医療から社会復帰、職場復帰までを支援する役割を果たしてきました。我が国におけるリハビリテーション医療発祥の地でもあり、屈指のリハビリテーション施設と陣容を誇っています。しかし作業環境・交通システムの改善に伴って労働災害が激減し、地域医療の基幹病院としての機能にシフトしています。
平成22年度までは、障害者病棟、回復期リハ病棟を有する535床の病院として運営してきましたが、平成23年5月に新病院への移転を機に、障害者・回復期リハ病棟を廃止して、450床の急性期病院として再出発しました。救急センターを中心として、消化器疾患センター、呼吸器疾患センター、脳神経センターなどの豊富なセンター機能を通して、地域の方々の期待に応えて24時間チーム医療を提供する地域医療支援病院としての体制を整えています。平成23年度には産婦人科が再開し、周産期医療が充実してきました。さらにリニアックを導入するなど、がん診療にも力を入れています。また従来からの勤労者骨・関節疾患治療研究センター、勤労者メンタルヘルスセンター、アスベスト疾患センター、治療就労両立支援センター、高圧医療部などを通した勤労者医療にも引き続き力を注いでいます。
臨床研修プログラムの特徴
他の総合病院には見られない"地域医療"と"勤労者医療"の両者に取り組み、豊富なセンター機能と研究実績を有し、必ずや臨床研修の実を挙げていただけるよう、スタッフ一同全力で支援いたします。
- 必修科目に加え、本院の特徴を生かした選択研修科目を10か月研修(外科系選択2か月を含む)
- 24時間体制で患者を受け入れる救急科、整形外科の充実、多彩で豊富な外傷症例を持つ特徴を生かしつつ、交通外傷、スポーツ傷害などの治療を中心とした救急医療の研修
- 24時間体制をとる脳血管障害の治療、超早期のリハビリを通した支援の研修
- 充実したリハビリテーション部、義肢科における社会復帰支援の研修
- 高圧治療部、健診部、治療就労両立支援センター、メンタルヘルスセンター、アスベスト疾患センターにおける勤労者医療の研修
- 21診療科を有する第一線の総合病院におけるcommon diseaseのプライマリケアの研修
- 経験豊富な優れた指導医群によるマンツーマン指導体制
診療の特色
本院の診療の柱は「勤労者医療」と、「地域医療」です。21診療科、450床の急性期総合病院として、北九州市から京築地区における中核拠点病院としての役割を果たしています。特に平成23年度にリニアックが導入され、がん診療のさらなる発展が期待され、産婦人科が再開されたことから、地域の周産期医療にも大きな力になることが期待されています。
勤労者医療
- 治療就労両立支援センター:生活習慣病、振動障害の健康診断、判定、予防
- 勤労者メンタルヘルスセンター:総合的なメンタルヘルスケアの実施
- アスベスト疾患センター:アスベスト関連疾患の健康診断、治療および健康相談
- 勤労者骨・関節疾患治療研究センター:骨関節疾患の専門的な治療
- 高圧医療部:潜水病、脳血管障害、重症感染症、突発性難聴などの高気圧酸素療法
- 勤労者脳神経センター:チーム医療による脳血管障害を中心とする脳神経疾患の専門的治療
など高度な労災医療及び勤労者医療と予防にあたっている。勤労者医療は、労災医療よりも、疾患を有する勤労者の就労、疾患の予防、健康維持などの比重が高くなっています。
地域医療
- 救急医療
- 北九州市救急医療体制に参画し、地域医療支援病院として活動。労災事故、交通外傷、脳血管障害などの患者に24時間対応可能な充実した救急科。屋上ヘリポートを利用した広域災害にも即応可能な設備。
- 脳卒中診療
- 北九州脳卒中地域連携パスに参画し、勤労者脳神経センターにおける脳血管内科、脳神経外科、脳神経内科、リハビリテーション科が連携したチーム医療による充実した治療。
- 周産期医療
- 分娩、ハイリスク妊婦管理などの周産期医療の充実。
- がん診療
- リニアックの導入を機に外科治療、化学療法、がんリハビリテーションとの組み合わせによる先進的、専門的治療。
- リハビリテーション医療
- 脳血管障害、運動器疾患・外傷、心疾患に対する超早期のリハビリテーションから社会復帰、職場復帰までを支援する専門的な治療。