化学療法とは
検診による早期発見や、診断・治療等の進歩により、がんに罹患しても長期生存が望めるようになりました。化学療法は、手術療法・放射線療法と並ぶ、がんに対する3大治療の1つですが、他の2つの治療に比べて、治療期間が長期に渡ります。以前は化学療法を行うに際して入院が必要になることが多かったのですが、新しい抗がん剤や副作用をやわらげるための薬の改良などにより、治療効果の高い標準治療を、外来通院で安全に行えるようになりました。化学療法を行いながら、家事や仕事など普段の生活を続けることも可能です。
外来化学療法室
当院の外来化学療法室の治療環境は、ベッド8床、リクライニングチェア4床あり、それぞれにテレビを設置しております。
スタッフは、専任医師1名、専従看護師(がん化学療法看護認定看護師)1名、専任看護師3名で対応しております。
高度なチーム医療を提供
日本がん治療認定医、がん薬物療法認定薬剤師、がん看護専門看護師、がん化学療法看護認定看護師など、様々な職種が集まり専門知識を出し合って、患者様に安心して安全な治療を受けていただけるよう、がん化学療法委員会を主体に治療に取り組んでいます。
医師の役割
各診療科の医師は、個々の患者様に対して最も良いと思われる化学療法を考え、患者様ご本人やご家族と相談のうえ、具体的な内容を決定します。化学療法当日は、患者様の体調を確認したうえで、投与実施可能か判断します。その後も、治療効果、副作用の状況などを確認しながら、治療方法を適宜調節していきます。
看護師の役割
外来化学療法室の看護師は、患者様に安心・安全に治療を受けて頂けるように抗がん剤治療の投与管理を行い、治療中に起こる問題や症状を予測して対応できるように生活指導や相談を行なっております。また、最近は働きながら治療を受けられる方のためにも、できるだけ治療と仕事の両立ができるように就労支援につながる看護ケアを実践しております。
薬剤師の役割
がん専門薬剤師は、まず抗がん剤処方(レジメン)の投与量や日数間隔などをチェックし、投与予定日に医師より化学療法実施可能の指示が出れば、薬剤の調製を行います。また、患者本人やご家族に対して、化学療法の投与スケジュールや副作用の注意点を説明すること、副作用の状況を確認したうえで、必要なお薬の処方を医師に依頼することなども行っています。
外来化学療法室の患者サポート体制
抗がん剤治療中は、吐き気や倦怠感などの身体的症状が現れることがあります。治療に対する不安や治療を継続することが、つらくなる時期や沈んだ気持ちになることも多くあると思います。このような治療の身体的な副作用や気持ちのつらさなど精神的な問題をできるだけ少なくするために、看護師が体調やお気持ちを伺い、気がかりにお応えできるように対応しております。患者様だけでなくご家族のお気持ちなど伺ったお話の内容に応じて、院内の医師やがん看護専門看護師、がん化学療法看護認定看護師、MSW(医療ソーシャルワーカー)、がん相談員、薬剤師、栄養士など専門となる医療者に橋渡ししております。
外来治療の流れ
緊急時の症状と問い合わせ先
以下の症状があるときにはご連絡ください。
- 38度以上の熱が2日以上続く場合
- 水様性の下痢が1日4回以上、2日以上続く場合
- 吐いたりして、食事や水分が摂れない場合
- 出血が止まらない、または尿の色が赤い場合
- 日常生活に必要な活動ができない場合
- 点滴していたところが、赤く腫れたり、硬くなったり、違和感がある場合
上記以外でも、ご心配のことがあれば遠慮なくご相談ください
【平日(8時30分~17時)】
外来化学療法室直通 093-475-9615
【夜間休日・祝日】
救急外来にて24時間対応 093-471-1121