独立行政法人労働者健康安全機構 九州労災病院

痛みに対する専門的な治療の医療体制について

がん患者様が抱える痛みを緩和することは緩和ケアの大きな役割です。がん患者様の痛みは、がんによる痛み（がんの浸潤や転移に伴う痛み）のほかにも、がん治療による痛み（手術療法・化学療法・放射線治療などの抗がん治療に関する痛み）やがんと無関係の痛み（基礎疾患や廃用・老化に関連するもの、慢性痛など）が混在していることもあります。がんの痛みを緩和するためには、患者様自身に教えていただくことが大切です。がんの早期から時期を問わずに生じるのが痛みであり、適切な検査や治療が必要になります。がんの痛みの治療には、薬物療法が基本としながら、痛みの原因によっては放射線治療、神経ブロック等も選択肢であり、これらを組み合わせて治療をしていきます。また、痛みは心理社会的な要素とも関係しますので、心配事や困りごとに対する対応も大切になります。